1日1冊本紹介その⑧「同志少女よ、敵を撃て」

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 こんにちは!バリバリ現役高校生のなす丸です!

 「面白い」と思った本をほぼ毎日ペース紹介しています。今回紹介するのは、「同志少女よ、敵を撃て」。戦争の過酷さと変貌していく少女達の姿が描かれた、心揺さぶられる物語です。

こなす
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「同志少女よ、敵を撃て」基本情報

引用:引用:www.amazon.com.jp

分類:文学・小説
著者:逢坂冬馬
出版社:株式会社早川書房
初版発行日:2021/11/17
推奨年齢:中学生上級〜
ページ数:601ページ

本のあらすじ&見どころ

注意:ネタバレが含まれます!

この本のあらすじ

あらすじ
 舞台は1940年代のソ連。18歳の少女、セラフィマは母親のエカチェリーナと共に、人口が40人程の小さな農村、イワノフスカヤ村で暮らしていた。独ソの戦争が起こっている最中でも村は平和で、セラフィマは秋から大学に通えることになった。ある日、彼女が母と共に狩りから帰ると、ドイツ兵が村人を皆殺しにしている姿を目撃する。母エカチェリーナも狙撃手によって殺され、唯一生き残ったセラフィマもドイツ兵に捕まってしまう。しかしその時、ソ連の赤軍が到着してドイツ兵を一掃し、セラフィマは一命を取り留める。大切な人達を失った絶望で生きる屍となった彼女に一人の女性兵士、イリーナが「戦いたいか、死にたいか」と唐突に問う。死にたいと嘆いたセラフィマをイリーナは罵倒し、彼女の母を燃やし、思い出と呼べる物を全て壊した。意識が朦朧としていたセラフィマも怒り狂い、彼女は「お前もドイツ兵も皆んな殺す」と言い放つ。そうして彼女は赤軍に入り、大切な人々の仇を撃つために一流の狙撃手を目指すことになった、、、。

この本は2022年に「本屋大賞」を受賞し、直木賞の候補にもなった作品です。

この本の見どころ

戦争の物語としては珍しい「女性」が「自ら戦争に行く」ストーリー
 この物語が特殊だと言える一つに主人公が「女性」だという事があります。もちろん戦争だからって全ての物語が男性中心ではありませんが、「戦争に巻き込まれた」女性の話は多くても「戦争で人を大量に殺した」女性の話はあまりないと思います。他にはない戦争の切り口ならではの斬新なストーリーがこの本の魅力の一つです。

実際の事実が織り込まれた内容と、繊細な表現で、戦争を巧みに描いている
 基本的にフィクションとノンフィクションは分けられますが、この本はどちらの要素もあります。主人公などは架空の人物ですが、実際に登場する地名や戦い、一部の登場人物は実際に実在しています。小説という作り話がメインでも、その基盤には著者が綿密に調べた実際の歴史の知識があるからこそ、この話はリアリティがあるのだと思います。

変わっていくセラフィマの姿に、メッセージを感じる
 家族が殺される、友人が戦死する、そういった場面は作中で幾度となく出てきて戦争の残酷さを感じます。でもこの物語は殺された人だけではなく、セラフィマを含む人を殺す側の、復讐を果たそうとする人々の変貌する姿に戦争の恐ろしさを感じさせられます。戦争は無縁だと思っていた主人公が機械のように人を殺す狙撃手になるまでの日々に、思わず涙してしまいます。

こなす
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この物語とっても複雑で濃いから、また深く読み直したら更新するね

おわりに

 最後まで読んでくれてありがとうございました。

 今なお世界で起きている戦争、この本を読むと見え方が変わってくるかもしれません。

 この本を読んでくれた人の未来が、1歩でも明るくなることを願っています。

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